白石麻衣『シンクロニシティ』の真実|レコ大連覇と生駒里奈卒業の裏側
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本作の視覚的魅力を決定づけたのが、世界的人気ダンサー・振付師であるSeishiro(セイシロー)による独創的なコレオグラフィーです。前年のレコード大賞受賞曲『インフルエンサー』で超高速のハンドダンスを振り付けたSeishiroは、『シンクロニシティ』において一転、感情の機微を体現するコンテンポラリーダンスを構築しました。
メンバー全員が靴を履かず「裸足」で踊る演出は、地面を踏みしめる素朴な鼓動と、飾らない人間性を表現するための必然でした。白石麻衣を先頭に、波が押し寄せては引くように流動するフォーメーション移動、手先から指先まで感情を巡らせる所作は、従来のアイドルソングの枠組みを完全に超越した芸術性を帯びています。
また、衣装のロングワンピースもパフォーマンスの完成度を飛躍的に高めました。白と淡いエクリュカラーを基調としたシフォン素材のワンピースは、風を孕んで美しく広がるよう精密に計算。白石麻衣がターンする瞬間に描かれる優美なドレープの曲線は、多くのクリエイターから絶賛されました。
ミュージックビデオの撮影場所(ロケ地)として選ばれたのは、福島県いわき市に実在する「ヘレナ国際ホテル(旧・ヘレナリゾートいわき)」の未完成建築です。バブル期に建設が中断され、広大な吹き抜けと剥き出しのコンクリート、木製の骨組みが交錯するこの廃墟風の巨大空間に自然光が差し込む光景は、楽曲の持つ神聖さと孤独感を極限まで引き出しました。監督の池田一真氏が指揮した長回しのカメラワークにより、白石麻衣を中心とするメンバーの躍動が生々しくフィルムに焼き付けられています。