甲骨文字の謎を解く|なぜ亀の甲羅に?半数未解読の真相と歴史

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甲骨文字が硬い素材に刻まれた理由は、当時の王権構造と直結しています。殷代後期の社会は、戦争の勝敗、農作物の豊凶、天候、王族の出産や病気、神への生贄に至るまで、あらゆる国家の重要事項を神や祖先霊に伺いを立てて決定する神権政治体制でした。

この神意を問う儀式が殷代の占いと亀甲獣骨を用いた「卜占(ぼくせん)」です。儀式では主に以下の手順が厳格に踏まれていました。

まず、亀の腹甲(腹側の甲羅)や牛の肩胛骨(肩の骨)の裏面に、ノミなどで丸い窪みや溝(鑽・鑿)を彫り込みます。次に、その窪みに赤く熱した青銅の棒などを押し当てて急激な熱を加えます。すると、熱膨張によって表面に「ト」の字形のひび割れ(卜兆/ぼくちょう)が生じます。

殷王や専従の占い師(貞人)はこのひび割れの走り方や角度を見て吉凶を判断しました。そして、占った日付、貞人の名、神に問うた内容(命辞)、占いの判断結果(断辞)、そして実際にどうなったかという結果(験辞)を、青銅の鋭利な小刀で甲羅や骨に刻み込みました。これがいわゆる「甲骨卜辞」であり、甲骨文字の歴史と起源そのものなのです。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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