古川周賢の足跡|東大哲学博士から恵林寺住職へ、禅と現代リーダーシップの融合

古川周賢の足跡|東大哲学博士から恵林寺住職へ、禅と現代リーダーシップの融合に関する深掘り解説を丁寧に解説いたします。

古川氏が足をふみいれたのは、京都紫野に位置する名刹・大徳寺の専門道場であった。臨済宗の中でも殊に厳しい風教で知られるこの地で、彼は13年という長きにわたり「雲水(うんすい)」として行脚と修行を重ねた。

かつて東大大学院で培った緻密な論理や哲学の知識は、禅の道場においては何の意味もなさない。むしろ、頭で考えようとする姿勢そのものが「執着」として厳しく打ち払われる。毎朝午前3時の起床から始まる日課、極寒と酷暑の中での坐禅、師家(しけ)との真剣勝負である公案(こうあん)の問答。徹底的な肉体労働と静坐の往復の中で、彼の中に蓄積されていた概念の鎧は一枚ずつ削ぎ落とされていった。

紫野の静寂の中で行われた「自己の脱構築」

13年間に及ぶ大徳寺での修行は、単なる精神修行にとどまらない。それは、膨大な西洋知性と東洋の実践知が極限状態で激突し、止揚(アウフヘーベン)される時間であった。頭脳のみに偏重していた知性が、作務(さむ)や坐禅を通じて足の裏、丹田、そして全身の細胞へと沈降していく。この熾烈な「脱構築」のプロセスを経て、古川周賢という唯一無二の思想家・禅僧が形作られたのである。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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