メーヴェはなぜ飛べる?ナウシカ飛行機に宿る宮崎駿の設計思想

メーヴェはなぜ飛べる?ナウシカ飛行機に宿る宮崎駿の設計思想についての真相をお届けします。

風の谷の少女が駆る「メーヴェ」は、ドイツ語でカモメを意味する名を持つ。純白の滑らかな曲線を描く無尾翼の機体は、一見するとシンプルなグライダーのようだ。しかし、その内部には超小型のジェットエンジンが組み込まれており、滑空と動力飛行を自在に使い分けるハイブリッドな航空機として描かれている。

パイロットはシートに座るのではなく、機体上面に覆いかぶさるように乗り込み、体重移動と直接的な操縦桿の操作によって機体を制御する。計器類に頼る近代的なアプローチとは対照的に、風の流れを全身の皮膚感覚で捉えながら大気と対話するスタイルだ。この身体性の生々しさが、視聴者に「本当に風に乗っている」という強烈な錯覚をもたらす。

一方、風の谷を防衛する「ガンシップ」は、メーヴェとは対極の無骨さを誇る。前方に突き出た連装砲、ずんぐりとした胴体、そして鋭利な前進翼。前席に操縦士、後席に砲手兼機関士が乗り込む複座配置は、第二次世界大戦期の双発戦闘機や攻撃機を想起させる。重装甲でありながら、渓谷の入り組んだ気流を縫うように急旋回する圧倒的な機動性は、緻密に計算された重量バランスと推力重量比の賜物と言える。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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