埼玉愛犬家連続殺人事件の鍵握る山崎永幸と冷たい熱帯魚の全貌
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「遺体がなければ殺人事件として立件できない」という刑法の原則は、当時、埼玉県警察の捜査本部に重くのしかかっていた。被害者が失踪している事実は明白でありながら、現場からは目立った痕跡が消し去られていたからである。埼玉県警察の捜査員たちは、幾度となく山林や河川を捜索し、土を掘り返し、微細な遺留品を追い続けた。
事態が急展開を迎えたのは、関係者の供述に基づく執念の再捜索によって、川底から極小の骨片や焼却された遺品の一部が発見された時であった。科学捜査の限界に挑むかのような過酷な鑑識作業と、供述の整合性を一歩一歩確かめる気の遠くなるような聞き込み。犯人側の徹底した証拠隠蔽策に対し、捜査陣が突きつけたのは、逃げ場を許さない事実の積み重ねであった。死体なき殺人の壁を突き崩したこの捜査劇は、日本の警察機構における画期的な先例となった。