名曲『ひばり』ピアノ演奏の難易度とコツ|グリンカ珠玉の旋律を攻略
名曲『ひばり』ピアノ演奏の難易度とコツ|グリンカ珠玉の旋律を攻略にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。
『ひばり』の誕生背景を知ることは、演奏解釈を深めるうえで欠かせません。原曲は、ロシア国民楽派の祖であるミハイル・グリンカが1840年に作曲した歌曲集『ペテルブルクへの別れ』の第10曲です。原詩は詩人ネストル・クコリニクが手掛け、空高くさえずるひばりに託して、届かぬ恋心や旅立ちの切なさを歌い上げています。
この素朴で美しい歌曲に惚れ込み、華麗なピアノパラフレーズへと再構築したのが、「ロシア5人組」の指導者であったミリィ・バラキレフでした。バラキレフ自身が卓越したヴィルトゥオーソ・ピアニストであったため、原曲の叙情性を一切損なうことなく、リストやショパンの書法を取り入れた煌びやかな装飾音やカデンツァを巧みに融合させています。
静寂の中から立ち上る哀愁のメロディが、変奏を重ねるごとに光を帯び、クライマックスでは天空を舞うひばりのように華麗な音のシャワーへと変化していくドラマチックな構成こそ、本作が時代を超えて聴衆を惹きつける最大の魅力です。