自供と自白の決定的な違いとは?捜査実態と身を守る法的防衛策
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強固な証拠法則が存在するにもかかわらず、なぜ虚偽の告白は生まれ続けるのか。その病理を残酷なまでに証明したのが、半世紀以上の時を経て再審無罪が確定した袴田巌さんの事件である。過酷を極めた長時間の取り調べ、暴力や脅迫、睡眠の剥奪——逃げ場のない密室で追い詰められた人間は、その苦痛から一秒でも早く逃れたい一心で、犯してもいない罪を「自供」してしまう。
警察庁が取り調べの適正化を掲げる一方で、日本弁護士連合会は長年にわたり、調書中心主義の捜査手法に警鐘を鳴らし続けてきた。取調官が描いたストーリーに沿って作られる「供述調書」に一度署名・指印してしまえば、後から法廷で否認しても覆すことは極めて困難になる。閉ざされた空間での心理的支配は、無実の市民を殺人犯へと仕立て上げる恐るべき破壊力を持っている。