熊野亘のデザイン思想と軌跡:北欧と日本を繋ぐ「静かなプロダクト」の真価
熊野亘のデザイン思想と軌跡:北欧と日本を繋ぐ「静かなプロダクト」の真価の重要ポイントをご紹介します。役立つ情報がチェックできます。
熊野亘のデザイナーとしての基礎は、2000年代初頭に渡ったフィンランドの地で形成された。2001年から2008年まで、彼は北欧デザインの拠点の一つであるラハティ応用科学大学でプロダクトデザインを本格的に学んだ。この時期の体験が、彼のデザイン観の根幹を形作ることになる。
北欧の暮らしには、極限まで無駄を削ぎ落としながらも、人間の生活を温かく包み込む合理性と美意識が同居している。過酷な冬を室内に過ごす人々にとって、家具や生活道具は単なる機能体ではない。心身を支える不可欠なパートナーだ。熊野は現地での生活を通じて、素材本来の良さを引き出すクラフトマンシップと、大量生産の工業デザインを架橋する感覚を体に染み込ませた。
「物を作る前に、生活を深く観察する」。この北欧的アプローチは、帰国後の彼の作品群に色濃く反映されている。